クライアントの課題・ニーズ
和歌山オープンファクトリー推進委員会による「和歌山ものづくり文化祭」は、製造業の魅力と地域活性化を結びつけた新しいイベントです。
発足当初は製造業を営む30代の有志3名で創設したばかりの民間の任意団体でした。
発起人である実行委員長は、前年に開催された、日本工芸産地博覧会への出展を機に、製造業が決して盛んではない和歌山の地で、製造業と観光やエンターテイメントをかけ合わせたオープンファクトリーの思想を広げようとイベントの企画、実施を計画していました。
そこで初開催にあたり、強いビジュアルコンセプトで出展者と来場者を惹きつける必要がありました。
ビジュアルコンテンツの不足:
イベントコンセプトはできているが、出展者を集めるにも初年度のイベントであり、ロゴやウェブサイトなど、ビジュアルを構成する要素が一切ない状態。 統一された世界観の欠如: ロゴ、ウェブサイト、SNS、フライヤー、ポスター、会場内デザインなど、すべてにおいて一貫したスタイルが必要。
専門のディレクター不在:
イベントのビジョンを形にできる専門のアートディレクターが不足している。
解決方法
コンセプトの明確化
ヒアリングを通じて、実行委員長を含むメンバーの思いや目標を明確にし、それを言語化、記号化する作業を行いました。
ロゴとビジュアルアイデンティティの開発
ロゴデザインの完成度はもちろん、イベントの様々なシーンでの使用を想定し、多様なバリエーションを提案しました。 ロゴとビジュアルアイデンティティ(VI)の設計を通じて、イベントの世界観を確立しました。
統一されたビジュアルコンテンツの制作
和歌山ものづくり文化祭のウェブサイト、パンフレット、ポスターを制作し、和歌山らしくて和歌山らしくない。新しさが融合したビジュアルを完成させました。 ブランドアイデンティティであるネオンオレンジとネオングリーンの輪っかを用いて、会場全体を彩りました。
成果
初年度のイベントにも関わらず、6,000人の来場者と300万円の売上を記録し、25以上のメディアに掲載されるなど、大きな成功を収めました。 また、近畿経済産業振興局が発行する「OPEN FACTORY REPORT 2023年版」(2024年以降も)に選出されました。
2年目以降、和歌山県が事務局として参画することで、イベントはさらに規模を拡大し、その影響力を日本全国に広げています。
このケーススタディは、ビジュアルコンテンツの力で地域のイベントを全国に広めることの重要性を示しています。 一貫したビジュアルアイデンティティを通じて、イベントのブランド価値を高め、参加者に忘れられない体験を提供することができました。
2022年11月第1回開催
ブランド開発 / アートディレクション / CI・BI・VI / ロゴ / サイン / Webサイト / パンフレット / フライヤー / ポスター / グラフィック / まちづくり
担当: OSAKO Jin / ARAKI Motomo